本研究室は、心理学や教育学の領域で活用され、効果を挙げていたゲーミングの手法を、初めて本格的に、防災・減災教育の分野に導入しました。

その代表格が、防災ゲーム「クロスロード」です。「クロスロード」は、「岐路」や「分かれ道」を意味する英語です。災害が起こる前の備えや、起こってからの対応、そして、被災からの復旧や復興過程では、多くのジレンマ(あちらを立てればこちらが立たず~のような状況のこと)を伴う重要な決定が必要になります。

「クロスロードは、」トランプ大のカードを使用して、ゲーム感覚で災害への備えや災害後に起こる様々な問題に、YES/NOで回答しながら、それを自らの問題として考えるための防災教育教材です。グループで行うゲームなので、自然災害や防災についての知識を高めるだけではなく、自分とは異なる意見や価値観への気づきも得られます。さらに、意見交換や討論を通して、自分の家や、住んでいる地域の防災について、みんなで合意を作っていくための基盤ともなります。

「クロスロード」は、2005年の発表以来、多くの良い評価をいただき、多くの方に使っていただく機会に恵まれてきました。「クロスロード」のユーザーの方々のネットワークも確立され、そのコミュニティは年々増えていっています。

そして、嬉しい反響として、多くのシリーズが次々に発表されてきました。災害時のあらゆるジレンマを事前に考え、備えていただく機会が作り出されています。当研究室の、「大洗プロジェクト」の一環として、<クロスロード 大洗編>のような、地域に根差したものを作成したこともあります。

他にも、ゲーミングツールとして、幼児向きのお遊戯型・防災教育教材として「防災ダック」(英語版やスペイン語版などに翻訳され、多国でご活用いただけています)や、家族で楽しめる「ぼうさいすごろく」などの防災教育教材・プログラムを開発しています。

自然災害と人間社会、そして専門家や実務者と一般の人々とをつなぐ、「交換と交流の道具」として機能するようなツールとして