当研究室は「メキシコ沿岸部の巨大地震・津波災害の軽減に向けた総合的研究(2016年~2021年)」プロジェクトの防災教育研究パートに参画しています。メキシコ国立防災センター(CENAPRED)及び現地防災局とともに、アクションリサーチを軸とした市民の主体性を育む地震・津波防災教育手法の実践研究と、数少ない津波体験の聞き取り調査を行っています。防災教育研究パートの最大の特徴は、最新の地震学的・工学的知見の社会実装です。本プロジェクトには、多分野の研究者が参画しており、メキシコ太平洋岸のプレート間固着状況や震源モデル構築とそれに基づいた地震・津波シナリオの構築が進められております。これら最新の研究成果を防災教育手法に取り入れ、広く学校や地域社会への普及を目指しています。こうしたプログラムの開発にあたっては、既存のプログラムやツールを無反省に現地に適用するのではなく、現時点における減災意識 の現状を把握し、現地の社会・文化的特性を十分に把握し、それらを踏まえた「カルチュラル・チューニング」を施してから 現地に適用することが重要と考えています。

本プロジェクトは京都大学防災研究所伊藤喜宏准教授及びメキシコ国立自治大学ビクトール・マニュエル・クルース・アティエンサ教授が研究代表者となり「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の枠組みで進められています。

<参考>外部サイト:https://www.jst.go.jp/global/kadai/h2710_mexico.html